
買ったもの
10000mAh なので、それほど大容量というわけでもない。
けど、サイズ的に持ち運びもできて、組み込み用にもちょうどよいので採用。
購入価格:\3,983(税込) 2025/10/08
目的
以下の機器をバッテリー駆動で使用し、電源が取れる環境に戻ったら充電する。
この間、以下の機器は連続稼働させる。
※普通のモバイルバッテリーだと、充電モードとバッテリー駆動モードの切替時に瞬断して機器の
電源が落ちるから、UPS(パススルー)タイプが必要。
・Raspberry Pi4B 用電源(5.1V / 3A 後述のようにちょっと工夫すると良い)
・カメラモジュール(DC12V / 0.4A)

注意点
このモバイルバッテリーは3つの出力ポートを備えており、その3つのポートの出力が合計 25W までとなっている。
また、そもそも DC5V 出力が 2.4A までとなっている。
なので、ラズパイ側をガッツリ使うと不安定になるか落ちるはず。
使用する電力量には気を付けないといけない。
メリット
・モバイルバッテリーからの DC5V 出力が、実測で 5.2V あった。(分解して調整とかしなくて済んだw)
・DC5V のほか、DC9V、DC12V の出力が同時に可能。
・充電しながら使える。
・LED インジケーターでバッテリー残量がわかる(ディスプレイタイプは無駄に大きくなるので不要)
・筐体の長辺側側面が平面(最近は曲線=丸いのが多くて固定方向の自由度があまりない…)
デメリット
・充電用としての入力は DC5V だが…2A まで!
…っておい!ちょっとデバイス多めに繋げたら充電間に合わんぞ!という仕様w
・付属のDCケーブルが 外形 5.5 mm / 内径 2.5 mm
…内径 2.1 mmが一般的なので、別途用意が必要なケースもある…というか用意した…
・中華製なので心理的不安アリ
…まぁ、試験機用の電源だし、常に視界に入る状況でしか使わないからOK
ラズパイに電源供給するときの工夫

別環境ではあるものの、某社のDINレールに取り付けるタイプの小型スイッチング電源、DC5V 10A に対して、ラズパイ4B が 2~3 台繋がってるけど、急激な負荷変化に追いつけないのか、わりと Under Voltage が出る。
出力電圧は 5.15V までちょいと上げているのに。
1台にしても発生するので、負荷によって2または3台としているけど、自宅用鯖なので放置してる…

で、それはモバイルバッテリーでも同じ。
今回のバッテリーに限らず、Anker 製のものでも出る。
ということで、「電源供給デバイスの応答が遅いのなら、速い何かを付ければいいじゃない!」ということで、コンデンサを電源ラインに並列に。
これなら、ラズパイがなんか処理し始めて急激に電気を消費したくなった時、電源供給機器側がそれに追いつけなくて電圧ドロップしたとしても、コンデンサに溜ってる電荷でそれを補える。
実際、このコンデンサの取り付けで Under Voltage は出なくなった。
※ただし、今回のモバイルバッテリーで使える電力は DC5V 2.4A までなので、
いずれにしてもそれを超えないようにラズパイ側の消費電力は考えるべし。
で、調子はどお?
当初、カメラが MAX 4.8W 使う仕様で通常時は 3W くらいだろう。ラズパイは 5V 1A で 5W か?
なら、合計 8W だからギリギリバッテリ減らずに連続稼働できるのでは!?
と思ってたけど、微妙に、本当に微妙に、バッテリーが減っていく…
どうも、4W + 7W くらいな感じか…
ただ、バッテリーそのものの発熱は全くないし、充電しながらの使用にももちろん問題ない。
バッテリー駆動への切り替えやその逆も特に問題ない。
ほぼ想定していた通りに動いてくれているので満足。
リレーも付けてあるので、接続されているデバイスが未使用の時には電源切れるようにしておけば、
消費電力<充電
が成り立つかも。
ここに至るまでの失敗談
実は、20,000mAh のモバイルバッテリーを最初は使ってた。
このバッテリーの出力は DC5V のみなので、DC12V に昇圧してカメラの電源としていたのだけれど…
いや、「していた」だと正しくない。 「しようとしていた」が正しい。
実際には、カメラへ電源を供給した瞬間にラズパイもろとも落ちる。
なので、両方同時に接続した状態だと、起動→落ちる→再起動→落ちる…の繰り返し…
カメラモジュールがホビー用ではなく産業用なので、ちょっと突入電流が大きいのかな…
上記「工夫」と同じように DC12V ラインにコンデンサをパラってもみたけど改善せず。
リレーを使ってラズパイの電源がオンになり、起動後、ある程度安定したところでカメラの電源をオンにする、という遅延起動のようなこともしてみたけど、やはりカメラに電源が接続された瞬間にラズパイごと落ちる。
落ちた後はすぐに再起動するから、バッテリー側の過電流保護機能が働いてトリップしちゃってる感じ。
同じメーカーの USB が 10 ポートある最大 60W 供給可能な充電器だと、落ちない。
なので、昇圧回路がネックなのではなくバッテリーということでほぼほぼ確定。
で、DC12V 出力のバッテリーなら、1セル 3.7V を昇圧して DC5V や DC12V を作るのは効率悪そうなので、2セル直列で 7.4V が元(DC5V は降圧、DC12V は昇圧)ならトリップしずらいんじゃないかな、などと勝手に想像して今回の UPS 型モバイルバッテリーにたどり着いた。
結果は上々。

10,000 mAh って本当!?
試行回数2回なので何とも言えないけど…
仮に上記の 4W + 7W がおおよそあっていたとすると、これで約4時間使えた。
つまり 44Wh の電力を消費した。
仮に電圧変換効率 95% としたら、
44Wh / 0.95 / 3.7V = 12.517A = 12,517mAh
だから、おおよそあってるのかな?
ラズパイは常に負荷がかかってるわけじゃなく、アイドル状態に落ちるタイミングもあるので、上記計算が多めに出ているのも納得。
この手の製品では「容量詐欺」が横行しているけど、この製品は割と正直な感じがするね。
いいじゃない。
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